NODAMURA, IWATE ふるさとみたいなこの村で
WORK&VACATION 自分らしい「働き方」を探す

ON & OFF MAGAZINE
ON & OFF REPORT #01
野田村ワーケーション体験
2泊3日の ON & OFF Village
ON & OFF REPORT #01
野田村ワーケーション体験
2泊3日の ON & OFF Village
UPDATE:2022.02.15
写真:熊谷 義朋
協力:北村秀人、八木優衣
時代と共に変化してきた私たちの「働き方」や「休日の過ごし方」。あたりまえだった仕事や休日は、いまでは<暮らしを彩るための大切な時間>に。求められるのは、日々の ON と OFF をいかに豊かに過ごすか。そして、距離や場所、時間にとらわれず、いかに自分らしく輝けるか。実際、理想の働き方へと舵を切る人たちが、年々増えています。
そんな多様化するワークスタイルに応えるように、全国各地で様々なワーケーションの受け入れ準備がはじまっています。岩手県の北東部に位置するここ「野田村」でも、個性豊かな村の自然環境や人のつながりを活かしたワーケーションプロジェクトが進んでいます。
そうぞうりょくがつながる
「野田村 ON&OFF Village」。

記念すべき1回目となる ON & OFF MAGAZINE では、実際に東京からワーケーションをしに「野田村 ON&OFF Village」へ訪れた映像クリエイターの北村秀人さんと、女優でモデルの八木優衣さんと体験した2泊3日の滞在レポートをお届けします。
はじめての野田村。
はじめてのワーケーション。
その魅力を切り取り、発信する2人の表現者を通じて、野田村で過ごす時間や、野田村の人たちとの交流を、ぜひ追体験してみてください。
DAY 1
— ON —
集中力の高まる場所
「庵日形井」へ
早朝に東京から新幹線で二戸駅を経由してレンタカーで野田村へ。
途中、寄り道をしたこともあって移動に約5時間かかりましたが、旅行気分で意外とあっという間に感じられる道中。まずは「野田村ON&OFF Village」の特徴とも言える自然豊かな日形井エリアへ向かいます。清らかな渓流に沿って車を走らせると、築160年を超える南部曲り家と言われる「庵日形井」に到着。その荘厳な佇まいに、思えば遠くに来たものだと、感動。

山奥にたたずむ
築160年以上の
伝統的民家
岩手県に残る数少ない伝統的な民家「南部曲り家」を、なるべく現状のまま、手を加えることなく改修したワーケーション施設。
隣接する宿泊施設「染織工房」へ荷物を置き、庵日形井へ集合。各自持参した PC で今回の旅の行程や野田村の情報を再確認。季節ごとに変わる景色を眺めながら、自然の音に耳を澄ましていると、少しずつ集中力が高まっていくのがわかります。誰かが囲炉裏に火を灯すと、ON であり OFF でもあるような、新感覚の野田村でのワーケーションがはじまりました。

Wi-Fi もストレスなく利用可。
OFF
野田村の海と山の恵みを味わう
ワーケーションの醍醐味はなんと言ってもその土地でしか味わうことのできないグルメです。海と山に恵まれた野田村では、新鮮な魚介や野菜をはじめ、窯でていねいに作られた塩や、日本一の生産量を誇る山ぶどうのワインといった名産品を楽しむことができます。チェックインの後は車で中心地へ移動。おいしいランチをいただきます。



どれも食べたい!と悩みながら日替わりの海鮮丼に。
ランチのあとは野田村のプラットフォーム・道の駅「のだ」へ。
村の観光案内所として売店やレストラン、産直所を併設。同時に三陸鉄道リアス線の「陸中野田」駅でもあるため、観光客だけではなく野田村に暮らすたくさんの人たちが行き来するにぎわいの場所です。ここでは野田村出身で営業主任の佐々木陵太さんに野田村の名産品の魅力を説明してもらいながら、滞在中の食料やワインを調達(キッチンで調理も可能です)。他にも村には魚屋や肉屋、地域に根付いたスーパーもあるので、食材に困ることはほぼありません。

野田村で一番好きな時間は海で釣りをしている時。



「のんちゃん」と記念撮影。
野田村の魅力をもっともっと外に発信したい。
そう話す佐々木さんの表情からは「野田村愛」が伝わってきました。
—
そして買い出しの後は再び仕事の時間を ON 。
「野田村 ON&OFF Village」には仕事の内容に応じた4つの拠点があり、その時々で場所を選ぶことができます。とにかく静かな山の中で自然に囲まれて集中したいのなら「庵日形井」へ。海を見ながらのんびり仕事がしたいという人は国民宿舎「えぼし荘」のミーティングルームがオススメ。太平洋を臨む個室でテレビ会議をしたり、気晴らしにルーフトップへ出ることも可能です。そして何より露天風呂やサウナを利用することができるので滞在中のリフレッシュにもぴったりです。



OFF
村の人たちとの交流の時間
初日の夜。野田村の未来を考えるための有志の集まりが行われていると聞き、4つの拠点の1つでもある「ねま〜る」へ。村の中心にあることもあって、プロジェクターを使った大人数での会議やプレゼンテーション、村の人たちとワークショップなどができる交流の場でもある。テーブルを囲んで食事をしながら、野田村のこれからや課題を話し合う意見交換会の席に混ぜてもらいました。







地域の
意見交換会へ
地域に関する話を聞かせてくれたのはカフェ「たいようのいちこ」を運営する松川美穂子さん。介護や看護師の経験を活かして地域の人たちと世代を超えた交流をはかっている。
この日、野田村の名産の荒海ホタテや豆腐料理、朝獲れのイワシやサバをふるまってくれた。
※ 松川さんへのインタビューは後日公開予定です。そちらもお楽しみに。
野田村に生まれ住んで、野田村で暮らしている人たちから生の声で話を聞くことで、野田村のことをもっと身近に感じることができました。ただ自然の中でワーケーションをするだけではなく、村の人たちとつながることで広がっていく物語。野田村から何か生まれそうな予感に、少しずつ想像力がふくらんでいきます。

なもみとは ⋯
岩手県の沿岸北部で小正月の夜に行われる伝統行事「なもみ」。大晦日に行われる秋田県男鹿地方の「なまはげ」に似ていて、蓑をまとい大きな鬼のお面をつけて村の子どもたちを訪れ、戒める。鬼の様相だが「来訪神」と言って神の使いにあたり、その風習は地域によって違いはあるが、野田村でも若い世代が脈々と文化を受け継ぎ、その歴史を守っている。
そしてなんと、翌日に行われる「なもみ」に「鬼」として急遽参加させてもらえることに。はじめての野田村、はじめてのワーケーション、はじめてのなもみ体験。緊張とワクワクを抱えたままこの日は解散。
宿へ到着。囲炉裏を囲みながら道の駅で買った山ぶどうワインをみんなで試飲。個性豊かな味を楽しみながら、次第に ON と OFF が交わっていきます。
DAY 2
— ON —
野田村と関わり、課題と向き合う
朝。いつもより早起きして海へ。東日本大震災以降、津波防災のための整備や住宅の再建、コミュニティの場づくりに重点を置きいち早く復興を進め、高く評価されてきた野田村ですが、過疎高齢化による産業の担い手不足をはじめ、様々な社会問題が、課題として残っています。


今日は、3日間滞在する野田村で、微力ながらでも自分たちにできることがないかを探るべく、野田村で第一線で働く漁師の方や、シェフ、そして名産品でもある山ぶどうワインの醸造所長に起こしいただき、村の魅力と共に、野田村が抱えている課題について語ってもらいました。






野田村でつながる
「おいしさ」
庵日形井の囲炉裏を囲んでのトーク。野田村の「食」や「人」の魅力から、村の課題までを物語でつないでいきます。
※ この座談会の様子は後日公開予定です。お楽しみに。
ON
その地域の文化に触れる
そしてついに約束の夜。「なもみ」の待ち合わせの時間。会場に着くやいなやグループに分かれ交流会がスタート。そこで地域の参加者たちから「なもみ」をやる上での注意点や「泣ぐ子いねが」などの子どもへのかけ声などのレクチャーを受けます。そして着替えへ。右も左もわからないまま少しずつ鬼の姿へ変身する2人。3時間ほどかけて行われた「なもみ」の様子を写真で紹介します。








岩手北部の伝統行事
「なもみ」
炉端の火にあたりすぎて赤くなった肌をさす「なもみ」。秋田の「なまはげ」も同じ「なもみ」を「はぐ」が由来とされる。
想像以上の迫力と、子どもたちの泣き叫ぶ声。それと同時に世代を超えた村の人たちの結束や絆を感じることができた「なもみ」。ワーケーションという枠に収まらない貴重な経験をさせていただいたことで、ただただ興奮と感動の夜。村の一員としてあたたかく迎え入れてもらった気がします。

また来年も会いたいな、そんな風に思える素敵な時間だ。
そしてなんと女性の「なもみ」は野田村史上初とのこと。
たくさんの優しさ、おもてなしに触れ、ますます野田村のことが好きになっていく1日でした。
DAY 3
— ONとOFFが交わる瞬間 —
野田村の魅力を発信する
様々な場所に出向いて、ここに暮らす人たちに会い、話をしているうちに、だんだんと野田村のことをもっと知りたい、もっとみんなに知ってもらいたいと思うように。
最終日となる3日目は、野田村を振り返りながらカメラを抱え気になる景色のある場所へ。野田村の魅力をそれぞれのやり方で記録し発信することで、少しでも野田村の人たちの力になり、この3日間の恩返しになれば。そんな思いが、それぞれを動かします。




あっという間の2泊3日。夕暮れ時、「ただいま」や「おかえり」の声が聞こえる駅で、それぞれおみやげを買い、家路につきます。
さいごに
ON と OFF が交わるところ
東京から新幹線で2時間半。そこから車でおよそ1時間と少し。決して近いとは言えない野田村ですが、ON と OFF の交わるこの場所には、ガイドブックには載っていないかけがえのない体験や景色、そしてあたたかく迎えてくれる人たちとの出会いがありました。偶然が偶然を呼んだ出会いや、つながり。「ただいま」と言いたくなる故郷のような場所。そこから生まれた “そうぞうりょく” は、毎日を「自分らしく」生きるためのヒントになり、村の未来をきっと明るく照らします。
インターネットで世界中どこにでも繋がれる時代だからこそ、少し遠回りして行く自然豊かな「野田村 ON&OFF Village」で、ワーケーションの枠を超えた新しい働き方を実践してみるのはいかがでしょうか?

写真:熊谷義朋
協力:北村秀人、八木優衣、野田村のみなさん
「野田村 ON&OFF Village」の体験中に北村さんが撮影した映像が、実際に Youtube にアップされ発信されています。15分ほどの映像です。ぜひご覧ください。
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自然の中でのローバーミニとの日々『MINI_LIFE』
https://www.youtube.com/c/MINILIFEch